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子どもを育てる「関わりことば」・・・《発達教育2006年8月号より》

筆者が習った英語のレッスンワンは「デス イズ ア ペン」でした。「これは一本のペンです」といういい方も会話では使いませんし、不自然な人工の文章です。

「おおきいくま」という二語文の復唱練習は、大人の外国語学習をもとに作られたものです。「デス イズ ア ペン」には驚きなどまったくなく、無機質です。感動も含め、子どもの気持ちにそった二語文で話しかけなければ、子どもはことばを学べないと思います。

単語から二語文に進ませたいという質問を受けることがあります。理解力のわりには受け答えはほとんど単語のみ、実にあっさりした子もいます。

単語は、まずは名づける行為です。進めば、「これは何?」「ここはどこ?」といった質問に答えられるようにもなります。ただ社会性が育ちきれていないと、二語文のように他者と共有してのコミュニケーションがなかなか取れません。二語文へと進めるためには、叙述、報告、共感、質問、確認といった内容の文を意図して教える必要があります。

「はんぶんこ」ができるためには、社会性の成長が必要と書きました。二語文の発生と「はんぶんこ」は同じ時期に生まれてきます。

「おせんべい はんぶんこ」
「おふろ はんぶんこ(ではいろう)」
「いす はんぶんこ(ですわろう)」

と話しかけ復唱させることで、子どもには人への意識とともに、社会性が育っていくと思われます。

二語文の指導では、「○○ちょーだい」といわせることが多いようです。ただ実際には、「ちょーだい文」を自発的に話す二歳台の子と会ったことがありません。それよりも自然に出てくるのは、繰り返しになりますが、叙述、報告、共感、質問、確認といった内容の二語文です。

単語レベルだった子が、「プール 行った」「ここ いい?」と話すようになったときの喜びには、とても熱いものがあります。子どものなかに、人への意識が明確に育ったことがわかるからです。さらには、「いっしょに」できることが、もっともっと増えると予想できるからです。一番の喜びは、二人での対話が始まったことを確信できるからです。

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<担 当>湯汲英史
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒
(社)発達協会 常務理事 心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授