「関わりことば」は、人や物とどう向き合い、関わりを持っていけばよいのかを学ばせてくれます。

 

 

子どもは人として完成された形で生まれてはきません。未熟で生まれながら、まわりの人や物と関わる中で、少しずつ発達していく存在です。この発達ですが二つの目的があるとされています。

一つは、世界への認識を深め自分なりに考え判断できるようになることです。これを「自己形成」といいます。

もう一つは、自分なりに行った判断を、まわりに受けいれてもらえる形で表現できるようになることです。これを「社会化」といいます。

クリニックで話す相手ですが、大半は発達に何らかの障害を持つ子どもです。青年期以降では、社会的な不適応を抱えた人となります。

乳幼児から、青年・成人までの、年齢幅が広い人たちと付き合っています。その付き合いも、長い人では四半世紀を優に越えるまでになりました。そのなかで、たとえ発達に何らかの問題を抱える子どもでも、育つことの究極の目的は「自分で考え、そして判断し、行動できるようになること」という確信を持つようになりました。

確かに人は、相手の考えに従い動くこともあります。ただいつも、命令のままに行動はしたくないものです。子どもが示す問題行動の中には、ほかの人がだす指示への反発が原因といえることがあります。人のいうままに行動するのであれば、自分の人生を生きたことになりません。

ただ発達に問題があると、ことばやコミュニケーションの力がスムーズに成長していきません。このために、まわりの大人にとっては子どもの真意がわかりにくくなります。あわせて関わり方も、自信の持てない手探り状態となりがちです。これらが影響して、段階を踏みながら進む「自己形成」と「社会化」がときには歪(いびつ)なものになってしまいます。